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Route-1 沖縄②

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苦痛とさえ言えるほどの退屈な航海。

1981年7月26日(日)
-晴れのちくもり-

暗くて窓のない2等船室の中では、時間の感覚がまったくない。何度も目が覚めたり、また眠ったりを繰り返しながら、ようやく起き上がって外に出てみると、もう午前8時を回っていた。大量の光は、まるでシャワーのように降り注ぐ。あまり気分が良くないので、食欲がわかない。自動販売機でカップラーメンを買って食べる。

太平洋
(写真はイメージです)

暇だ。まったくすることがない。周りは何時間経っても海また海。360度海しかない景色を見たのは初めてかもしれない。ゲームセンターもあるにはあるが、する気がしない。こんなときは、友だちを作るのが一番だが、そんな気分にもなれない。向こうから話しかけられると受け答えはするが、そもそも私は人見知りするタイプなので、こちらからはなかなか話しかけられないのだ。

ふと自分の手を見て、
「爪がのびているなあ」
爪切りはちゃんと持ってきている。通路の隅のテーブルに腰掛けて、一人爪を切る。絵になるなあ。…なるわけないか。

売店で週刊漫画を買って読む。が、1時間もしないうちにまた暇になる。あ~~~~~~っっ。退屈で死にそうだ。

トイレに行って用を足していると、この船の船員らしきオジサンがトイレの掃除をしながら僕に話しかけてきた。
オジサン:「どこへ行くんだ?」
豆壱郎:「沖縄です」
オジサン:「沖縄はわかってるよ。おまえ、この船沖縄しか行かないんだから。沖縄のどこへ行くのかって聞いてんだよ」
豆壱郎:「いや、考えてません」
僕のこと変なヤツだって思ってるだろうな。よく考えてみると、きょう、人と会話したのこれが初めてだ。

女の子

少し船酔い気味になってきたので、一番上のデッキのベンチに座ってぐったりしていると、約5メートル前方の向かいのベンチに、座っておしゃべりしている女の子たちがいる。そのうちの一人が、ベンチの上に足を持ち上げてひざを抱えるようにしている。何気なく目線を下げると、ジョグパンの裾から見えそうな見えなさそうな…。気付かれると恥ずかしいので、腕を組んで寝ているふりをしながら、うす目を開けて、じりじりとお尻の位置をずらす。
ハッ!!…な、なにをやってるんだ僕は~。まるで中年のエロオヤジじゃないか!
しかし、船内の乗客の若い女の子たちの格好を見ると、まるで男をベッドに誘っているとしか思えないような、過激な服装をしている子が大勢。これは中年のエロオヤジに限らず、我々男性の鼻の下はまるでつきたての餅のように伸びてしまうのである。(笑)

またまた船室に戻って横になる。
隣で寝ていたお兄さんが、
「漫画、見せてくれますか?」
と言ってきたので、
「いいですよ。もう読んじゃったのであげます」
と、先ほど1時間で読んでしまい放置してあった週刊漫画を進呈した。

船酔いのためか食欲がまったくないので、ジュース類以外は何にも口に入れていない。それでも明日は沖縄に着く。こんな状態でちゃんと走れるだろうか??

本日の走行距離: 0km
累計の走行距離: 0km
累計走行距離インジケータ

沖縄
(スタート)

東京
(中間点)

宗谷岬
(ゴール)
現在地
本日の出費 合計730円
カップラーメン(フェリーの中はやはり高い) 200円
ジュース 110円
ジュース 120円
缶コーヒー 120円
週刊漫画 180円

※金額は1981年当時の実際の金額です。

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